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《幻想夜景 星月夜》

よく晴れていて星の光が月のように明るい夜のことを「星月夜」といいます。そんな満天の星の下、日本の絶景を巡ってみましょう。
今回は北海道と奈良県を訪れます。北海道は広く、とても1度で巡りきることはできません。新千歳以外にも地方空港が多数点在し、場所場所で風景も地勢も気候も微妙に違ってくる北海道。ここでは、道東から「摩周湖」、道北から「青い池」、道央から「羊蹄山」を巡ります。いずれも有名な観光地として、昼間は圧倒的な絶景で魅了します。
奈良県は海の無い内陸の県です。紀伊山地に連なる山々が複雑な山岳風景を作り出します。その中でも特徴的な地形が魅力的な曽爾高原を訪れます。晩秋のススキ野原の上に、満天の星が輝いています。そして、奈良県南部の秘境、十津川村にも足を伸ばします。その中でもここを知る人は少ない絶景ポイント。秘境中の秘境の完全な闇の中、手の届きそうな星空が広がります。そして空が白みだし夜が明けるのです。
さぁ、旅に出掛けましょう!

VR映像仕様


映像解像度 映像タイプ 音声 時間 ライセンス
4K 8K 12K 16K 2D 3D 2ch 4:26 
     


霜降の蝦夷富士



北海道と星空の旅

北海道はだいぶ北の方にある北の大地。改めて地図を見てみると、函館が北緯41.8度、最北端の宗谷岬が北緯45.5度に位置している。 ということは、夜の時間は夏はかなり短く、冬は長いことになる・・・ 実際、夏至の夜の時間(天文薄明の終わりから始まりまで)はわずか3時間しかない。本当に夜が短い・・・逆に冬至の頃は12時間近くもある。 長い時間星空を見たいのであれば、冬に訪れるのがよさそう。寒さと雪とアイスバーンが最大の敵になるかも知れないが・・・。
北海道は人口密度が低いので、都市部から離れるほどに夜の闇が深くなってゆく。北海道で星空を眺めると、まず先に驚くのが、北極星の高さ。 この位置だとカシオペア座も北斗七星も地平線の下に沈むこと無く、一年中見ることができてしまうくらい、北極星が高いところにある。 そんな星空をどこで見るのがベストなのかと・・・さすがに、「日高山脈に分け入ったり、大雪山に登ることはちょっとハードルが高すぎる!」という人には、道東の摩周湖や屈斜路湖周辺が良い。 道路が整備されているためアクセスも容易な上、標高も高く全方向に視界が開け、星空散策には最適な場所だ。特に摩周湖は、運が良ければ湖に浮かぶ雲海の上に、満天の星空が見られる可能性もある。
北海道は絶景が多すぎて、何を紹介すれば良いのかとても悩むところ。その中でも「美瑛の青い池」は、一度は写真や映像で見たことがある人も多いかも知れない。 ほぼ北海道の真ん中に位置するフォトジェニックな場所。もし、星灯りでも濃く深く青く色づく風景が見られたとしたら、どんな風景になるのだろうか。
もうひとつ、北海道の風景として羊蹄山を訪れた。蝦夷富士とも言われ、形の整ったシルエットをしている。 初めてその山を見るたときに、巨大な壁が立ちはだかっているような威圧を感じた不思議な山。 夜になると気温が氷点下まで下がり、夜露が凍り付き牧草地を白緑色に変えてゆく。厳しい冬が始まる直前の風景の上には、どのような星空が見えるのだろうか。

摩周湖

北海道弟子屈町にある湖。透明度が極めて高く、日本ではトップの透明度、世界でもバイカル湖に次ぐ2番目に透明度の高い湖である。 しかしながら、この摩周湖には流れ入る川も無ければ、流れ出る川もひとつも無い。摩周湖の水は雨水と地下水だけで維持され続けられている「巨大な水たまり」という区分になっているそうだ。 なんとも不思議な水たまりの上に、霧が発生することがある。「霧の摩周湖」の歌謡曲のおかげで、一気に湖の名前と共に知名度が上がったとも言われている。 運が良ければ、幻想的な霧の風景が見られるかも知れない。

美瑛白金の青い池

北海道美瑛町にある青い池は北海道を代表する絶景のひとつ。その薄青く色づく様は、自然の美しすぎる造形の技かと思いきや、 人工的に造成された結果できあがった偶発的な池。池ができたことで自生していた木々が立ち枯れし、湧水に含まれる微粒子成分が光を分散し青い光を透過させているらしい・・・ なんとも奇跡というか偶然というか、ほとんど偶然できてしまった系の絶景、と言うべきなのだろうか。

羊蹄山と京極町

ほぼ完全な円錐形をしている成層火山で、古くから「蝦夷富士」として呼ばれてきた。 倶知安町・喜茂別町・京極町・真狩村・ニセコ町の5つ自治体にまたがり、山に近づくにつれて巨大な壁のように立ちはだかる感じが印象的である。 今回は、羊蹄山を見るために京極町を訪れた。役場で訊いたところ、この牧草地をオススメされた。さっそく行ってみると、広大な牧草地と羊蹄山が良い感じのバランスで広がっている。 ちょうど秋も終わろうとしている頃合いなので、山頂にはすでに雪が積もりだしている。麓でも夜は気温が下がり氷点下になる日も続くようになってきた。 遠く札幌の街明かりが雲に反射し、地平線近くの空が明るい。おかげで、羊蹄山のシルエットも闇夜に溶け込まず、稜線がくっきりと夜空との境目を見せてくれている。



高原のススキ野原



奈良と星空の旅

名古屋方面・大阪方面・南紀白浜空港と3方向から向かうことができ、奈良県というのは思いのほかアクセスしやすいのではないかと思っているのは、あくまで個人の感想。 曽爾高原を有する曽爾村へは、名古屋から名鉄特急で名張へ入り、そこからレンタカーやバスで向かうのが比較的便利。 曽爾村は奈良県の北東部の山間の村。四方を山に囲まれた盆地であるから、どの方向からの道を選んでも、谷間を縫うような細い道が待っている。 その道を走り慣れた軽トラが、公道最速と言わんばかりに飛ばしている姿はあまりにも格好良すぎる。比較的に直線距離で名古屋や大阪と言った大都市に近いため、田舎の闇夜といえども地平線は仄かに明るい。 しかしながら天頂エリアは十分に暗く、天の川とてもよく見える。また、曽爾高原の特徴的な地形の向こうから昇ってくる星の風景は、異世界にでもいるような錯覚にさえ陥りそうになる。
奈良県の北部は、飛鳥時代に大いに栄え文化的中心地であった。その歴史的遺産は現代にも受け継がれ、数多くの国宝や世界遺産が点在していることは、魅力的である。 しかしながら、南部にもそれに劣らぬ魅力がある。それは「夜の闇」である。大都市から遠い上、紀伊山地の山々が小さな町の光ですら遮ってくれる。太陽が沈むと、そこは闇しかない魍魎の地。
十津川村は奈良県の南部の大部分を占める大きな村。その面積は村として日本一の大きさを有するが、大部分が山である。アクセスするにも、最強酷道で名を馳せる国道425号を経由するか、南北を貫く国道186号を利用するくらいである。 そのほかには謎の林道が無数に走っているが、果たしてどこまで車で入ってゆけるのか全く不明瞭である。日本一長い路線バスが十津川村を経由することで度々話題に上っている。起点を出発して十津川を経て、終点の新宮まで6時間とか7時間かかる長旅になる。 また、熊野本宮へ通ずる熊野古道もあり、古くからこの一帯を目指す人は少なくなかったことが分かる。
そして夜になり、ふと車を止めて外に出てみれば、満天の星である。

曽爾高原

曽爾高原は、曽爾村にある高原である。倶留尊山と亀山の西斜面から麓に広がる高原で、平坦な部分の標高が約700メートルと言うのだから、なかなかの高地である。 ススキ野原に覆われ四季を通じて、さまざまな色彩の風景を見せてくれる。春には、野焼きが行われ一帯が黒く染め上がる。春になると新芽が生えだし緑色に塗り変わってゆく。そして、梅雨を迎えると同時に一斉に伸び始め、人の背丈を超えてくる。 秋になると黄金色に色づき、夕陽に輝く様を一目に見ようと観光客で溢れかえる。そして冬を迎え、雪が積もれば白くなる。
どの季節に訪れても、間違いなく素晴らしい風景を見ることが保証されているような曽爾高原だが、秋のススキに合わせて行われるライトアップは必見である。平坦部の中央にあるお亀池を取り囲むように、灯籠に灯がともり、黄金色のススキを照らし出す。 地表付近に微妙な温度差が生じやすく靄がかかることもしばしば・・・暗い中を気をつけながら山斜面の中間付近くらいまで登ると、ライトアップされたススキ野原と満天の星が広がっている。

十津川村

この時は確か、酷道425号を通って十津川村に入った記憶がある。事前情報に狂いはなく見事な酷道っぷりだった。ただ、山や谷を越える道に沿って、ずっと紅葉が続きとても綺麗だったので、何度も車を止めてそれを眺めた。 十津川村は日本一広い村。いったいどこへゆけば良いのか、あまり検討が付いていない。そこで、村役場に立ち寄り、観光課で訊いてみることにした。 そこで担当の人に「425を通って来た」と伝えると「であればここに行くことは問題ないでしょう」と言って、国土地理院の地図のようなモノを持ち出してきた。 そして教えて貰ったのがこの場所である。最新のグーグルマップには、そこへの道が辛うじて記載されているが、この時はそんな道は載っていなかった。もちろんカーナビにも入っていない。地図上は行き止まりである。 カーナビから道が消えても、道は山奥へと続き標高は上がってゆく。教えて貰った分岐路へとさしかかった。そこを曲がってすぐ直後、いきなり視界が開けた。なぜか崖の窪みにベンチが置いてある。知る人ぞ知る、絶景ポイントなのかもしれない。 東から南の視界が完全に開け、遠く太平洋まで見えそうな感じさえする。
やがて夜が明け白んでくると、十津川村の市街地あたりの方角の窪地に朝靄がかかり白く覆われているのが遠くに見えた。